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2016年7月8日金曜日

ダンテ『神曲 地獄篇』第3歌

ダンテ『神曲 地獄篇』第3歌

 二人は地獄の門に行き着きます。そこには一切の希望を捨てるように、などと刻まれています。

 そこをくぐると地獄に向けて極めておびただしい数の人々の行列がありました。アロケンの河の渡し船の船頭カロンはダンテを見て、彼が地獄ではなく、煉獄に行くべきであることを見ぬいて、船に乗せることを断ります。ウェルギリウスはカロンに神の意志を伝えるとカロンは黙って二人を船に乗せ河を渡りました。そこは地獄の第1圏、古代の有徳な異教徒たち(未受洗者)が住む地獄の辺土(リンボ)です。彼らは未決の日々を送っています。ダンテの導師である詩人ウェルギリウスもその一人です。アダム、アベル、アブラハム、ダビデなどもかつてそこにいたことがありましたが、イエスがやってきて彼らを天上に連れて行ったといいます。
 そのうちダンテの前に現れたのは詩聖たちホメーロス、つづいてホラティウス、さらにはオウディウス、最後にルカヌス。彼らとしばし語ったあと、彼らは、私ことダンテを彼らの仲間に加える栄誉を与えてくれました。
 その他、トロイ関係や、カエサルを含めた古代ローマ関係の人物もいました。
 また更には、ソクラテス、プラトン、アリストテレスなどの古代の哲学者も居たのですが、その中の最高位がアリストテレスでした。その他に、デモクリトス、タレス、エンペドクレス、ヘラクレイトス、ゼノンなどなど。



 ダンテ 地獄の門 国立西洋美術館