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2016年7月6日水曜日

ダンテ『神曲 地獄篇』第1歌


サンタ・マリア・デル・フィオーレ教会にて
むかって左側が地獄、中央が煉獄とその頂上の天国。
右側がフィレンツェの町並み。
中央の人物がダンテ。


ダンテ『神曲 地獄篇』第1歌

 物語は、暗い森から始まります。森は荒涼として、恐ろしい凄い様です。ダンテは暗い森を抜けて山を登ろうとしましたが、彼の行く手には一頭のメスの豹が現れます。続いて獅子も。さらに続いてメスの狼も。解説によれば、中世以来、メスの豹は肉欲、獅子は高慢、狼は貪欲を表していたとされます。

 ダンテは後退して、暗い森に戻りましたが、そこにウェルギリウスが現れ、山を登るためには、他の道を選ぶことを勧めます(p18)。彼が言うには、これらの獣たちは善なる猟犬たちが地獄へと駆逐されるであろう、自分についてくるように促し、ダンテは同意します。正しい道を歩むためには地獄と煉獄を通り抜けないといけません。地獄ではウェルギリウスがダンテの導師となります。彼の案内で、ダンテは地獄では苦しむ罪人たちを見ることになり、そこを通り抜ければ煉獄で心満ちた人々と出会うことになるであろう、彼らは至福の民になる望みのある人達である、と。そしてその煉獄においてベアトリーチェの霊に引きあわせる、と。