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2014年12月1日月曜日

モリエール『飛び医者』 初期作品 南フランス巡業中



 モリエール『飛び医者』Le Médecin volant
 モリエールの現存する作品の中でも最古のものだともいわれているようです。南フランス巡業中に書かれました。制作年はよくわからないとのことです。
 中世フランスのファブリオーを参考にして書かれたようです。
モリエールのいつものテーマでもあります。つまり父親から娘は財産目当ての結婚を強いられるのですが、その裏をかき、最後はハッピーエンドというものです。物語は従僕のスガナレルが医者に扮して、主人のヴァレールを助け、結婚にまで持って行きます。また医者という特別な役柄が加わるのが特徴的です。医者路線がどうしてうまれたのでしょうか。中世フランスのファブリオー由来でしょうか。これをみると早い時期から医者の役どころが始まっていたことがわかります。

ナンセンスで、理屈抜きで、楽しめるものでした。泥臭く、芝居臭いです。素朴な感じもして良かったです。なおかつ良く出来た作品です。

 1666年の『いやいやながらに医者にされ』へと発展されます。でも、『飛び医者』の方が面白かったくらいでした。

 

 これは医師スガナレルが若い娘のオシッコを飲むというシーンです。病気の診断のための検査としてです。尿を実際に味わうことで、診断能力を高めて、他の医師達から差別化を図っているというようなことを話します。スガナレルはおいしそうに飲むのですが、実は中身はワインです。でも本物を飲んでしまった人はあまりの不味さに吹き出します。とても泥臭い雰囲気で、面白い場面です。






とてつもなく大げさに誇張された権威を表現します。