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2016年7月31日日曜日

ダンテ『神曲 天国篇』第5歌 (誓願について)


ダンテ『神曲 天国篇』第5歌 (誓願について)

  「誓願」について述べられています。
 「誓願votum. vows」はカトリック教会の修道について用語です。貞潔,清貧,従順の誓いが中心となっています。有期誓願の更新を繰り返したのちに、最終的には誓願式(終生誓願式)において生涯にわたって神に奉仕することを誓います。
 ダンテは誓願を神の最大の贈り物、最も大切なもの、神の力に最も似つかわしいもの、つまり「意思の自由」を表すとみなします。人間に備わる自由意志はこのように価値が高い能力であるゆえに、自由意志に基づく誓願は、神に届くほどの行いとされます。また、それは神への愛の一表現でもあります。
 誓願の重要性を説くと、やがて光明が満ち、あまりの光明が二人に集まってきて、歓喜にあふれた魂の姿がそこから現れてきました。
 ダンテとウェルギリウスは、第2の天である水星に向かいます。