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2016年8月25日木曜日

ダンテ『神曲 地獄篇』第14歌 神を罵った者 第15歌 同性愛

ダンテ『神曲 地獄篇』第14歌 神を罵った者

 神に対する暴力者たち、すなわち冒涜者たちが、仰臥して天に向かっています。そのなかにカパネウスの姿がありました。彼はギリシア神話のなかの英雄でテーバイぜめの七将のうちの一人です。彼は高慢から神(ゼウス)を冒涜したということで、神の雷に打たれて死にました。
 このあとにはウェリギリウスは人間の罪について述べていていますから、人間の罪の象徴としてカパネウスを持ってきたとも考えられます。

 ダンテ『神曲 地獄篇』 第15歌 同性愛



 ブルネット・ラティーニという人物と出会います。ブルネットはダンテの45歳年上の師です。ブルネットはダンテであることに気づき「何たる不可思議」と驚き、彼に手を差し伸べました。師は35歳にも満たないダンテが臨終を迎えてずしてここにいることを不思議に思って、いきさつを尋ね、ダンテが説明しました。また師はダンテがフィレンツェの市民からひどい扱いを受けるだろうと、ダンテの行く末(つまりフィレンツェからの追放刑)について暗い予言をしました。
 ラティーニははイスラム文化を受容した百科全書のような書物『宝典』やアリストテレスの『ニコマコス倫理学』をアラビア語からフランス語に翻訳しました。そしてイスラム文化は当時の西欧ではギリシア由来の同性愛的側面を受け継いでいるというイメージがあったらしく、またラティーニは同性愛的であるがために地獄に落とされたということのようです。また「同性愛」についてですが、とくに大きな意味があるのかないのか不詳です。
 またこの15歌はなぜ暴力者の圏にはいっているのでしょうか。